失われゆく風景と、記憶の「あわい」
私の表現の根底には、幼少期から親しんできた自然環境と、頻繁に訪れていた母の実家・島根県 で目撃した原風景の記憶が存在します。年月の経過とともに姿を変え、失われていく風景を前に 感じた寂しさと、「この美しさを未来へ残したい」という衝動が、画家としての原点となりまし た。
観察を深める中で気づいたのは、私たちが目にする自然風景の多くが純粋な自然物ではなく、人 の手によって複雑に交じり合った境界の姿であるということです。自然と人工、光と影、内と外、 そして過去と現在。相反するふたつの要素が衝突するのではなく、互いに浸透し調和する領域 ――それこそが、日本古来の言葉である「あわい(間)」に他なりません。
また過去を映し出すジークレを使用したシリーズでは、異なる場所や時間の風景をひとつの画面 上で層(レイヤー)のように重ね合わせ、過去と現在、記憶と現実が交錯する瞬間を捉えていま す。技法においては、客観的な記録としてのデジタル出力(ジークレ)と、筆致や物質感を通し て感情を表現する油彩を対比的に交差させました。スリット状に穿たれた隙間や画面の重なりか らは、向こう側の景色や異時間の光が差し込むように表しています。
私の作品は、実際に目にした風景にとどまらず、記憶の残像や不可視の感覚を手がかりに、具象 と抽象の「あわい」を探求する試みです。描かれた曖昧な領域は、観る者それぞれの記憶や情景 と共鳴し、日常の中で見過ごされがちな日本の美しい情景と懐かしさを感じてもらえたら嬉しい です。
【略歴】
1988年 兵庫県西宮市生まれ
2011年 同志社大学 商学部商学科 卒業
2011年 大阪市消防局に入社。
2018年 個人事業主として広報PRサービスを開始。
2023年 アーティスト活動を開始。
【展示歴】
<2023年>
触れるアート/ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート(沖縄)
ワークショップは100名参加
<2024年>
・暮らしを彩るArt /大丸松坂屋 梅田店 (大阪アート&デザイン)
・GALLERY龍也 ZEROTEN2024-Osaka-
<2025年>
・未来へつなぐ風景画/高島屋大阪店(大阪アート&デザイン)
・あの日の記憶/ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート(沖縄)
ワークショップは、約80名参加
・UNKNOWN ASIA 2025
<2026年>
・風景と記憶のあわい/高島屋大阪店(大阪アート&デザイン)
・Independent 東京 2026
・波紋する記憶/グループ展
・World Art Dubai2026
【受賞歴】
2025年 神戸北野美術館公募展 入選
2026年 第12回 SHIBUYA AWARDS 2026-27 入選
【寄贈】
ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート寄贈作品「経験」(2023年)
【コミッションワーク】
5件以上